社会奉仕団体として、「ロータリークラブ」と「ライオンズクラブ」があります。どちらも地域社会への奉仕活動を目的とした団体ですが、両者の違いを深く理解できていない方は多いかもしれません。
この記事では、ロータリークラブとライオンズクラブの違いについて説明します。それぞれの特徴を比較して、ご自身に合った団体を見極めるヒントにしてみてください。
ロータリークラブとライオンズクラブの概要
ロータリークラブとライオンズクラブは、どちらも地域社会をよりよくするために活動する奉仕団体です。同じ目的を持つ両団体について、「違いがわからない」「厳格な印象がありハードルが高い」と感じている方は多いかもしれません。
まずは、ロータリークラブとライオンズクラブについて、詳しい特徴をみていきましょう。
ロータリークラブとは
ロータリークラブとは、「I Serve(私は奉仕する)」というモットーのもと、会員一人ひとりが自身の職業を通じて社会に貢献することを目指している団体です。1905年、アメリカのシカゴでポール・ハリスにより創設され、そのビジョンは今も脈々と受け継がれています。
ロータリークラブの特徴は、週に一度、まるで異業種交流会のような例会を開催する点です。例会ではさまざまな分野の専門家やプロフェッショナルが集まり、お互いに知見を共有したり意見交換を行ったりしています。
ライオンズクラブとは
ライオンズクラブとは、「We Serve(我々は奉仕する)」という理念のもと、団体としての社会奉仕活動に重きを置いている団体です。1917年に、アメリカのシカゴで元ロータリークラブ会員のメルビン・ジョーンズによって設立されました。
ライオンズクラブでは、月に2回の例会を開催します。これらの例会は、主に奉仕活動の企画会議を目的にしており、会員同士が知恵を出し合って地域社会のニーズに応える活動を生み出す場として活用されています。
両クラブの共通点
ロータリークラブとライオンズクラブの概要は、表のとおりです。
特徴 |
ロータリークラブ |
ライオンズクラブ |
---|---|---|
創立年 |
1905年 |
1917年 |
創設者 |
ポール・ハリス |
メルビン・ジョーンズ |
モットー |
I Serve(私は奉仕する) |
We Serve(我々は奉仕する) |
例会頻度 |
週1回 |
月2回 |
活動の重点 |
職業を通じた個人の奉仕 |
団体としての社会奉仕 |
ロータリークラブもライオンズクラブも、地域の課題から地球規模の問題まで、幅広いテーマの課題解決に取り組んでいる点は共通しています。
また、どちらも会員同士の絆を大切にする文化であることも特筆すべきポイントでしょう。会員が集う例会は単なる活動の場ではなく、人生の喜びや悩みを分かち合う「交流の舞台」となっているのです。
ロータリークラブとライオンズクラブの違い
両クラブの概要を押さえたところで、いよいよ本題に入りましょう。
ロータリークラブとライオンズクラブは、似て非なる団体です。それぞれの大きな違いとして、以下の3項目が挙げられます。
- 活動の焦点
- 組織構造と運営
- 国際的な規模
どのようなことなのか、詳細を説明します。
活動の焦点
ロータリークラブは、「職業奉仕」という独自の概念を大切にしています。言い換えると、自分の職業を通じて社会に貢献するという考え方です。例えば、医師なら無料健康相談会を開催したり、建築家なら地域の景観改善プロジェクトに参加したりする活動をします。
また、ロータリークラブでは職業倫理の向上も重要なテーマとなります。「四つのテスト」という行動規範を通じて、ビジネスにおける高い倫理観の養成を目指しています。
一方でライオンズクラブは、「団体としての社会奉仕」に重点を置いています。会員が一丸となって取り組む清掃活動や募金活動など、より直接的な社会貢献を行うことが多い点が特徴です。
組織構造と運営
ロータリークラブの週1回の例会は、濃密な交流の場です。頻繁に顔を合わせることで、会員同士の絆を強めて、互いの成長を促進することを目指しています。
さらに、ロータリークラブでは「一業種一会員制」を採用していた点も特徴的です。一業種一会員制とは、同じ職業の会員をひとつのクラブに一人だけ認めるという制度です。この制度によって、幅広い職業人の知見が集まる場になっていたといえるでしょう。ただし、この職業分類による制限は2019年に廃止されました。
対して、ライオンズクラブの月2回の例会は、比較的柔軟な参加が認められています。さまざまな職業の方が会員になれるうえ、仕事や家庭の都合で時間的制約がある方でも参加しやすい点が特徴的です。
国際的な規模
ロータリークラブは、世界に3万7,000近くのクラブ、115万人を超える会員を擁する巨大ネットワークです。この規模を活かし、グローバルな視点での社会貢献活動を展開しています。
ライオンズクラブも、世界中に広がる国際的な組織です。ロータリークラブよりもひとまわり大きく、世界に4万9,000ものクラブが存在しており、会員数は140万人を超えます。
両クラブとも、この国際的なネットワークを通じて、会員に「世界とつながる」機会を提供しています。
どちらのクラブに入会するべきか
ロータリークラブとライオンズクラブの概要を知っても、「どちらに入会すべきか」を判断できない方は多いかもしれません。
どちらが適しているのかは、一人ひとりの目的や考え方によって異なります。ここでは、ロータリークラブとライオンズクラブそれぞれに向いている方について紹介します。
ロータリークラブが向いている人
- 自分の職業を通じて社会に貢献したい人
- 異業種交流したい人
- 国際的なネットワークを活用したい人
ロータリークラブは、「自分の職業を通じて社会に貢献したい人」に適しています。例えば、弁護士として無料法律相談を行ったり、料理人として食育活動に携わったりと、プロフェッショナルとしてのスキルを活かした奉仕活動を希望している人に向いています
また、週1回の例会を通じて、頻繁に異業種の方々と交流したい方にもおすすめです。この交流が、ビジネスの可能性を広げるきっかけになることも少なくありません。
さらに、国際的なネットワークを活用したい人にも向いています。海外のロータリークラブとの交流や国際的なプロジェクトへの参加など、グローバルな人脈拡大のチャンスが豊富です。
ライオンズクラブが向いている人
- 団体としての社会奉仕活動へ積極的に参加したい人
- 柔軟なスケジュールで活動したい人
- 地域社会への直接的な貢献を希望する人
ライオンズクラブは、「団体としての社会奉仕活動へ積極的に参加したい人」に適しています。地域の清掃活動や福祉施設でのボランティアなど、直接的な社会貢献活動に喜びを感じる人にはぴったりでしょう。
また、比較的柔軟なスケジュールで活動したい人にも向いています。例会は月に2回なので、仕事や家庭の都合で時間的制約がある方でも、無理なく参加できるでしょう。
加えて、地域社会への直接的な貢献を希望する人にもおすすめです。地元に根ざした活動を通じて、目に見える形で社会をよくしていく喜びを味わえる点がライオンズクラブの魅力です。
入会を検討する際のポイント
どちらのクラブに入会するかを決めるときは、次のポイントを押さえておくとよいでしょう。
ひとつ目は、両クラブの地域での具体的な活動内容です。各クラブのWebサイトや広報誌などで、最近の活動実績をチェックしてみましょう。
ふたつ目は、例会の頻度や時間帯が自分のライフスタイルに合うかどうかです。週1回の濃密な交流を望むのか、それとも月2回の柔軟な参加を希望するのか、自分の生活リズムと照らし合わせてみてください。
最後に、クラブの雰囲気や会員との相性です。多くのクラブでは、入会前にゲストとして例会やイベントへ参加できる機会を設けています。実際に足を運んで、クラブの魅力を肌で感じ取ることが何よりも大切です。
まとめ
ロータリークラブとライオンズクラブ、どちらも社会奉仕を目的とした素晴らしい国際的団体です。両者には似ている点も多く存在していますが、ロータリークラブは「職業奉仕と個人の活動」を重視し、ライオンズクラブは「団体としての社会奉仕」に重点を置いているという違いがあります。
入会を検討する際は、各クラブの特徴や活動内容、そして自身の興味や生活スタイルとの相性をしっかりと検討することが大切です。ご自身に合ったクラブを選べれば、きっと新しい出会いと成長の機会を得られることでしょう。
社会貢献への第一歩を踏み出したい方は、ぜひ茨木西ロータリークラブをご検討ください。
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