コラム

茨木市の企業のSDGsへの取り組み事例

茨木市の企業経営者や従業員のみなさまは、SDGsという言葉を耳にしたことがありますか?

SDGs(Sustainable Development Goals)は、「持続可能な開発目標」の略称です。ひとつしかない地球で人類が暮らし続けていくために2030年までに達成すべき目標として、世界中で注目を集めています。

 

実は、SDGsは私たちの身近なビジネスにも深く関わっています。地域に根ざした企業活動の中にも、よりよい社会づくりに貢献できる可能性が秘められているのです。

 

この記事では、茨木市の企業がSDGsにどのように取り組んでいるのかについて紹介します。実際の取り組み事例も紹介するので、SDGs活動のヒントにしてみてくださいね。

SDGsとは?茨木市企業の取り組みを知る前に

SDGsは気候変動や貧困、格差、不平等などのさまざまな問題を根本的に解決し、世界中の人たちがよりよく暮らせる世界を作るために設定された目標です。

 

概要だけを聞くと、単なる理想や夢物語かのように思われるかもしれません。しかし、SDGsは私たちの日々の生活や企業活動に直結する、とても重要な取り組みです。

 

まずは、今を生きる私たちが押さえておくべきSDGsの基本的な知識を身につけていきましょう。

SDGsの基本概念と17の目標

SDGsとは、2015年の国連サミットで採択された、「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標」のことを言います。対象となる課題は実に幅広く、貧困から環境保護、そして経済成長まで、私たちの生活のあらゆる側面に及んでいます。

 

具体的な目標の内容は、次のとおりです。

 

【SDGsの17の目標】

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

 

このように虹のように多彩な17の目標は、それぞれが密接に影響し合っています。例えば、「飢餓をゼロに」という目標は、「すべての人に健康と福祉を」という目標と関連しています。

 

これらの目標は、私たちの社会をよりよいものにするための羅針盤です。その指し示す先には、持続可能な未来が広がっています。

日本政府のSDGs推進への取り組み

政府もSDGsの重要性を深く認識しており、積極的に取り組んでいます。日本では、17の目標を本国の実情に合わせて8つの優先課題に整理し、毎年アクションプランを策定しています。

 

日本政府が定めている8つの優先課題は、次のとおりです。

 

  1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  2. 健康・長寿の達成
  3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  4. 持続可能でレジリエントな国土と質の高いインフラの整備
  5. 省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
  6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
  7. 平和と安全・安心社会の実現
  8. SDGs 実施推進の体制と手段

※出典:外務省|持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組

 

政府はまるで庭師が植物を丁寧に手入れするように、企業や地方自治体のSDGs活動を育てています。

 

2017年から始まった「ジャパンSDGsアワード」は、その努力が実を結んだ優れた取り組みを表彰する場となっています。これは、日本全体でSDGsに向かって歩みを進めているという証でもあるのです。

企業がSDGsに取り組む意義

では、なぜ企業はSDGsに取り組むべきなのでしょうか?それは、SDGsが企業にとって新たな価値を創造する源となるからです。

 

SDGsに取り組む具体的なメリットは、次のとおりです。

 

SDGsへの取り組みによる企業メリット

具体例

非財務的価値の向上

企業イメージの改善、従業員のモチベーション向上

投資家からの評価向上

ESG投資の対象となる可能性の増加

新規事業機会の創出

社会課題解決型の新製品・サービス開発

CSV(共通価値の創造)の実現

地域社会と企業が相互に支え合い、価値を生み出す関係の構築

 

このようにSDGsに取り組むことで、財務的な数字だけでは測れない企業の社会的価値を向上させ、投資家からの評価を高める効果があるのです。

 

また、SDGsは新しいビジネスチャンスを獲得するきっかけにもなってくれます。社会課題の解決と企業成長の両立を目指すCSV(共通価値の創造)を実現できれば、競争優位性の確立や新たな市場の創出につなげられるでしょう。

茨木市に拠点を持つ企業のSDGs活動事例

茨木市の様々な企業も、SDGsの波に乗って新しい価値の創造に挑戦しています。その取り組みは、まるで個性豊かな花々が咲き誇る庭園のように、多様で魅力的です。

 

ここでは、茨木市に拠点を持つ企業のSDGs活動事例について紹介します。

冷凍食品専門店Reco茨木真砂店の取り組み

冷凍食品専門店Reco茨木真砂店は、産地・素材・味にこだわり、美味しく、素材の味が感じられるカラダにやさしい商品を取り扱っています。店名の「Reco」は、冷凍とエコから一文字ずつ取って名付けられており、その名のとおり環境に配慮した運営を心がけています。

 

SDGsの達成のための主な取り組みとして、「食品ロスの撲滅」に向けた取り組みがあります。

 

お店で取り扱っている商品には、添加物を使用していない賞味期限が短いものもあります。極力商品を破棄しないよう、賞味期限が近い商品も一部販売しています。これにより、食品廃棄を最小限に抑えているのです。

 

また、健康に配慮した冷凍食品の販売も行っており、消費者の健康と福祉に貢献しています。さらに、スタッフがやりがいを持って働ける職場づくりと地域の発展を目指すなど、従業員の働きがいや地域社会への貢献にも力を入れています。

 

冷凍食品専門店Reco茨木真砂店の取り組みについては、こちらをご覧ください。

ゴウダ株式会社の環境目標とSBT認定

ゴウダ株式会社は、太陽光発電・蓄電池・V2Hの施工販売、建材加工事業などを展開する企業です。もったいない精神から始まった同社は、SDGsの理念を先取りする形で持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。

 

2007年に関西トップシェアを誇る太陽光発電事業を開始。環境共生型の複合商業ビル・GODA C&Eビルをオープンさせるなど、脱炭素社会の実現と地球環境保全に注力してきました。

 

さらに、2020年には「地域未来牽引企業」に選定され、太陽光発電システム・蓄電池・V2Hの普及を通じて脱炭素化社会の実現に貢献しています。「健康経営優良法人2024」に認定されるなど、従業員の健康増進にも力を入れています。

 

加えて、SBTイニシアチブによる「1.5°C目標」の認定を取得し、温室効果ガス削減に向けた具体的な目標を設定。地域貢献活動として「美知メセナ活動」や地域の賑わい創出、「かけがわSTOP温暖化 創エネ推進パートナーシップ協定」への参加など、多岐にわたる取り組みを展開しています。

 

ゴウダ株式会社の取り組みについては、こちらをご覧ください。

イチイ産業株式会社のSDGs推進活動

イチイ産業株式会社も、SDGs達成に向けて積極的な取り組みを行っており、鉄リサイクル事業を通じて資源の有効活用と循環型社会の実現に貢献してきました。

 

さらに、従業員の健康・安全を重視して、定期健康診断や交通安全講習を実施。ダイバーシティ推進のため、女性雇用を進め、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。

 

環境面では、スクラップの適正処理によるカーボンニュートラル実現への貢献や、省エネ設備の導入を進めてきました。生産性向上のための設備投資も積極的に行っています。

 

コンプライアンスにも注力して、従業員教育や透明性の高い計量システム導入により不正防止に努めています。

 

また、地域社会とのコミュニケーションを大切にしている点も特徴的です。工場周辺の清掃活動や植栽活動を行い、地域団体と良好なパートナーシップを築き上げています。

 

イチイ産業株式会社の取り組みについては、こちらをご覧ください。

企業のSDGs活動の進め方

SDGsの達成には、地域社会が協力して取り組むことが不可欠です。

 

ここでは、企業がSDGs活動をする際の詳しいプロセスについてみていきましょう。

SDGsの本質理解から始める

SDGsへの取り組みの第一歩は、その本質を理解することです。社員一人ひとりがSDGsの重要性を十分に理解することが、活動の基盤となります。

 

SDGsの本質を理解せずに取り組むと形だけのものになってしまい、単なるイメージアップのための取り組み(SDGsウォッシュ)であるとみなされかねません。SDGsウォッシュは、社会的信用や顧客を失う一因になる可能性があるので注意が必要です。

 

SDGsへの理解を深めるには、カードゲームやワークショップ形式のSDGs研修を活用して、楽しみながら学ぶことがおすすめです。SDGsを社内へ浸透させ、社員一人ひとりが「自分ごと」として捉えられるようになれば、企業全体の取り組みも自然と加速するでしょう。

自社の事業とSDGsの関連性を明確化する

次に、17の目標と169のターゲットの中から、自社の事業と関連性が深い項目をみつけましょう。既存の事業活動やCSR活動とSDGsの目標をマッピングすれば、思わぬ関連性が見つかるかもしれません。

 

このプロセスを経ることで、新たな事業機会や課題解決の方向性を見出すことができる可能性があります。SDGsを通じて自社の事業を見つめ直すと、思わぬイノベーションのヒントが得られるでしょう。

具体的な目標設定とPDCAサイクルを実施する

最後に、SDGsの目標に沿った具体的な数値目標や行動計画を策定します。

 

具体的な計画は、目標を現実のものにするための設計図です。定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直すPDCAサイクルを実施することで、着実に目標に近づくことができます。

 

また、取り組みの成果を社内外へ積極的に発信して、ステークホルダーとのコミュニケーションに役立てると、さらなる発展につなげられるでしょう。

 

このようにSDGsへの取り組みは、企業と社会をつなぐ架け橋となるのです。

まとめ

SDGsは私たち一人ひとりが、そして企業が、よりよい未来を創造するためのガイドラインです。すでに茨木市の多くの企業が成果を出しているように、SDGsへの取り組みは、社会貢献と企業成長の両立を可能にしてくれます。

 

あなたの企業も、この素晴らしい取り組みの一員となってみませんか?SDGsへの理解を深め、行動を起こすための第一歩を踏み出したい企業は、ぜひ茨木西ロータリークラブの例会にお試しでご参加ください。

 

毎週水曜日18時30分から開催される例会では、地域の企業経営者たちとSDGsについて語り合い、新しいアイデアのヒントを得ています。ともに学び、ともに成長し、茨木市をよりよい街にしていく。そんな素晴らしい未来を、一緒に目指しましょう。

 

SDGsへの取り組みは、決して特別なことではありません。日々の事業活動の中に、持続可能性という視点を取り入れることから始まります。

 

あなたの一歩が、茨木市を、そして世界をよりよい方向に導く力となるでしょう。さあ、一緒にSDGsの実現に向けて歩み始めましょう。

 

※当ページに事例の掲載をご希望の方は、こちらから問い合わせください。