コラム

【事例紹介】SDGs「11.住み続けられるまちづくりを」に関わる茨木市の取り組み|挑戦しやすい活動アイデアは?

「茨木市を、もっと住みやすいまちにしたい」そう感じたことはありませんか。

 

SDGs(持続可能な開発目標)の17の国際目標のうち、11番目の目標は「住み続けられるまちづくりを」。実は企業にとっても短期的な利益だけでなく、持続可能な成長と競争力の強化に寄与する長期的なメリットになります。

 

この記事では、茨木市における企業の具体的な取り組み事例や、今すぐ始められる活動のアイデアをご紹介します。

SDGs「11.住み続けられるまちづくりを」の概要

私たちの生活の舞台である「まち」。その未来を考えることは、まさに私たち自身の未来を描くこと。

SDGsの目標11は、そんな私たちの生活基盤を持続可能なものにしようという、壮大かつ身近な挑戦です。

「目標11」の主な内容

目標11の本質は、「誰一人取り残さない」という理念のもと、すべての人々が安心して暮らせる都市や集落を作り上げることにあります。

 

具体的には、2030年までに適切で安全、そして手の届く価格の住宅と基本的なサービスへのアクセスをすべての人々に保証し、いわゆるスラムと呼ばれる劣悪な居住環境の改善を目指しています。

 

また、公共交通機関の拡充などを通じて交通の安全性を高め、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供することも重要な要素です。これは、単に移動の利便性を向上させるだけでなく、環境負荷の低減や社会的包摂の促進にもつながる、一石二鳥ならぬ一石三鳥の取り組みといえます。

「目標11」が設定された背景

なぜ、このような目標が設定されたのでしょうか。その背景には、急速に進む世界の都市化があります。

現在、世界の人口の半数以上が都市部に居住しており、2050年までにはその割合が約68%にまで増加すると予測されています。

 

この急激な都市化は、私たちの生活に多くの恩恵をもたらす一方で、スラム居住者の増加や大気汚染の悪化といった深刻な問題も引き起こしています。まさに、諸刃の剣といえるでしょう。

 

そこで浮かび上がってくるのが、2つの課題です。

 

  • 大勢が快適に暮らせるまちづくり
  • 環境の保護

 

この2つの両立は、一見相反するようで実は似ています。森林などの環境を守ることで、みんなが住みやすいまちになるためです。

「目標11」の達成に向けた主な取り組み

では、この目標を達成するために、具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。その代表例として、以下の3点が挙げられます。

 

  1. 持続可能な都市計画の策定と実施
  2. 公共交通機関の整備と利用促進
  3. グリーンインフラの導入による都市の緑化推進

 

都市計画は長期的な視点に立ち、環境、経済、社会の各側面を考慮すること。

また公共交通機関の利用は、渋滞の緩和やCO2排出量の削減といった環境面での効果だけでなく、高齢者や障がい者の移動の自由を確保するという、社会的包摂の側面でも大きな意義があります。

一方で都市の緑化は、ヒートアイランド現象の緩和や生物多様性の保全にもつながる重要な取り組みです。

茨木市におけるSDGs目標11に関する取り組み事例

さて、ここからは茨木市(一部、近隣都市を含む)に焦点を当て、具体的な取り組み事例をご紹介します。

 

地域に根ざした企業や団体が、それぞれの特性を活かしながら、いかにして「住み続けられるまちづくり」に貢献しているのか。創意工夫に満ちた取り組みがたくさんあります。

【三井住友信託銀行茨木支店】支店ロビーでの防災展示

まず、注目したいのは三井住友信託銀行茨木支店の取り組みです。

 

大阪北部地震から3年という節目に、支店ロビーで防災展示を実施しました。茨木市が作成した「防災ハンドブック」と「ハザードマップ」も活用しており、行政ともうまく連携が取れています。

 

銀行の支店ロビーは、日々多くの地域住民が訪れる場所です。

そこで防災情報を展示することで、普段、防災に関心の薄い方々にも自然と目に触れる機会を提供しています。これは、地域に根ざす金融機関ならではの、しかも手軽にできる啓発活動と言えるでしょう。

 

三井住友信託銀行茨木支店の取り組みについては、こちらをご覧ください。

【第一生命保険株式会社茨木支社】住みよいまちづくりのため防犯活動を実施

次に紹介するのは、第一生命保険株式会社茨木支社の取り組みです。北摂地域に位置する同支社は、詐欺被害が多いという地域の課題に着目しました。

 

その対策として、大阪府警察による「特殊詐欺被害防止・防犯対策セミナー」を支社の全社員が受講しています。さらに、その学びを活かし、地域住民向けに詐欺に関する注意喚起チラシを配布しています。

 

特に、社員の学びを通じてSDGsの取り組みを地域に還元しているという点が重要です。まさに、「自分たちの成長が地域の安全につながる」という好循環を生み出しているのです。

 

第一生命保険株式会社茨木支社の取り組みについては、こちらをご覧ください。

【アイワホーム株式会社】業務を通して住みよいまちづくりに貢献

最後に紹介するのは、アイワホーム株式会社の取り組みです。

同社は、吹田市南部エリアを対象に家づくりを行う不動産会社ですが、その業務自体を通じて街全体の継続的な発展に取り組んでいます。

 

具体的には、吹田市エリアの土地の買取・販売・家づくりを一貫して行うことで、地域の特性を深く理解し、それに適した住環境の創出に努めています。さらに、吹田市に多い狭小地を活用するための独自工法を開発するなど、地域の課題に真正面から取り組んでいます。

 

このように、本業を通じて地域に貢献する姿勢は、持続可能なまちづくりの理想的な形と言えるでしょう。

 

アイワホーム株式会社の取り組みについては、こちらをご覧ください。

企業が【今すぐ始められる】SDGs目標11の活動アイデア3選

ここまで、茨木市内の企業による先進的な取り組みをご紹介しましたが、「自分たちにも何かできることはないだろうか」と思われた方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、企業が今すぐに始められるSDGs目標11に関連した活動アイデアをいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください。

1.従業員向けにエコ通勤の推奨

まず取り組みやすいのが、従業員向けのエコ通勤の推奨です。自家用車の利用を控え、公共交通機関や自転車、徒歩での通勤を心がけることで、CO2排出量の削減に大きく貢献できます。

 

茨木市内には路線バスや阪急電鉄などの交通機関が充実しています。これらを積極的に利用することは、環境負荷の低減だけでなく、地域の公共交通機関の維持・発展にもつながる一石二鳥の取り組みと言えるでしょう。

 

さらに一歩進んで、次のような積極的な働きかけも重要となります。

そこで浮かび上がってくるのが、2つの課題です。

  • 自転車通勤のための専用レーン
  • 駐輪場の整備を市に提案する

 

SDGsに取り組んでいる実績のある企業からの提案であれば、行政も動かざるを得ません。このような草の根の活動が、より住みやすいまちづくりの原動力となるのです。

2.地域の清掃活動への参加

次に挙げられるのが、地域の清掃活動への参加です。

茨木市が主催する清掃イベントや、地域の自治会が行う清掃活動に積極的に参加することで、まちの美化に直接貢献できます。

 

公園や河川敷、街路樹の周辺など、身近な場所から美化活動を始めると良いでしょう。これは、企業単位での参加はもちろん、個人や家族単位でも気軽に始められる活動です。社内ポスターの掲示やチラシ等の配布で、社員へ呼びかけることも効果的だと言えます。

 

さらに、こうした活動を企業のSNSで発信することで、企業やブランドの認知度向上にも貢献できます。マーケティングの一つと考えれば、モチベーションも上がるでしょう。

3.地域コミュニティへの参加

最後は、地域コミュニティへの参加です。例えば、地域の防災訓練や避難所運営ゲーム(HUG)などへの参加が挙げられます。

 

地域住民や自治体との関係が強化され、地域コミュニティとの信頼関係が築かれます。これにより、地元での事業活動が円滑に進めやすくなり、地域社会との協力による事業機会の拡大も期待できます。

 

活動例

概要

期待される効果

エコ通勤の推奨

公共交通機関や自転車、徒歩での通勤を推奨

CO2排出量の削減、公共交通機関の維持・発展

地域の清掃活動

市主催イベントや自治会の清掃活動に参加

まちの美化、環境意識の向上

コミュニティ参加

町内会活動や防災訓練への参加

地域のつながり強化、災害対応力の向上

 

企業がSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」に取り組むメリット

では、企業がSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」に取り組むことで得られるメリットを考えてみました。

 

1. ブランド価値の向上

SDGs目標11に取り組むことで、企業は社会的責任を果たしているというイメージを強化し、消費者や投資家からの信頼を高めることができるでしょう。

特に環境や社会への配慮が重要視される近年、取り組みをSNSなどで発信することで企業のブランド価値を高めます。

 

2. 市場機会の拡大

アイワホーム株式会社の「地域特性に合わせた家づくり」のように、SDGs目標11に対応した事業を展開することで新たな市場機会を得られます。

エコ建材、スマートシティ関連技術、クリーンエネルギー、交通インフラの整備などに関連する市場が挙げられるでしょう。

 

3. コスト削減

省エネルギー技術や再生可能エネルギーの活用、交通や物流の効率化などは、長期的に企業のコスト削減につながります。

 

今後、持続可能な都市計画や環境保護に関連する法規制が強化される可能性が高いため、早期にSDGs目標11に対応しておくことで、規制対応のコストやリスクを軽減することができます。

 

4. 人材確保と社員の満足度向上

SDGsに取り組む企業は、社会的責任を重視する若手や優秀な人材を引き付けることができます。また、社員が社会的貢献に誇りを持つことで、社員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、職場全体の生産性や満足度を高めるでしょう。

 

まとめ

これらの事例やアイデアからわかるのは、持続可能なまちづくりは決して遠い未来の話ではなく、私たち一人ひとりの日々の行動と密接に結びついているということです。

 

銀行のロビーでの防災展示や、不動産会社による地域特性に合わせた家づくりなど、それぞれの立場でできることから始めることが重要です。

 

茨木西ロータリークラブでは、このような地域に根ざした持続可能な活動に取り組んでいます。毎週水曜日18:30から開催される例会では、こうした活動のアイデアや実践例を共有し、より良いまちづくりに向けて議論を重ねています。

 

「自分にも何かできるのではないか」、「もっと地域と会社のために貢献したい」

と感じた方は、ぜひ一度、茨木西ロータリークラブの例会にお試し参加してみませんか?

 

SDGs目標11への取り組みは、企業にとっても短期的な利益だけでなく、持続可能な成長と競争力の強化に寄与する長期的なメリットになるでしょう。

 

※当ページに事例の掲載をご希望の方は、こちらから問い合わせください。