茨木市をはじめとした各地域では、市民・企業・行政が一体となって、さまざまな地域活性化の取り組みを実施しています。なぜ今、全国各地で地域活性化の取り組みが行われているのでしょうか。そして、私たち一人ひとりにできることは何なのでしょうか。
この記事では、茨木市で実際に行われている地域活性化の取り組みについて紹介します。地域貢献に興味をお持ちの方は、新たな挑戦への足掛かりにしてみてください。
地域振興活動の目的や活動内容は?誰がするもの?
地域振興活動とは、それぞれの地域の特性を活かして「住居」「職場」「学習」「娯楽」などの環境を整えて、地域の活力を引き出す取り組みです。ただ地域の経済活動を活性化するだけではなく、私たちの暮らす地域を経済・社会・文化のあらゆる面でより豊かなものにできるという効果があります。
それでは、具体的にはどのような取り組みを行い、どのような人が参加しているのでしょうか。まずは、地域振興活動の基本的な知識を身につけていきましょう。
地域振興活動の目的
地域振興活動の目的は、地域の価値を高めて魅力的な生活環境を創り上げることで、若い世代の定着を促進し、世代を超えた交流を活性化することです。また、地域特有の文化や産業を未来へと継承していくことで、持続可能な地域社会を実現することも目指しています。
日本全国で深刻化する人口減少や高齢化の波は、茨木市にも確実に押し寄せています。しかし、地域振興活動を通して地域の魅力を向上・発信していけば、この課題の解決につなげられるかもしれません。
茨木市には、数百年の歴史を誇る伝統産業から最先端のテクノロジー企業まで、多様な産業が集積しています。自治体や企業は、この地域の資源を最大限に活用しながら、新たな価値創造に取り組んでいるのです。
主な活動内容
地域振興にはさまざまな活動が有効ですが、ここでは茨木市の主な活動内容を紹介します。
茨木市が誇る歴史的建造物や文化財、四季折々の美しい自然景観には、この土地ならではの魅力が豊富です。茨木市では、これらの観光資源の価値を再発見して積極的に発信することで、交流人口の増加を図っています。
また、地域の特産品開発にも力を入れています。農商工連携による新商品開発や、伝統工芸の現代的なアレンジなど、革新的な取り組みが次々と生まれてきました。高齢者や障がい者に優しいユニバーサルデザインを採用し、誰もが暮らしやすいまちづくりを推進するなど、インフラ整備にも尽力しています。
近年、特に注目を集めているのが、デジタル技術を活用したスマートシティの取り組みです。防災情報の共有から地域コミュニティの活性化まで、テクノロジーの力で地域課題の解決を目指しています。
活動の担い手
地域振興活動は、さまざまな人や団体の協力によって成り立っています。主な担い手や活動内容は、表のとおりです。
担い手 |
主な役割 |
具体的な活動例 |
期待される効果 |
---|---|---|---|
地方自治体 |
施策の立案と実施 |
総合計画の策定、予算配分、規制緩和 |
持続可能な行政運営 |
市民団体・NPO |
地域に密着した活動 |
イベント企画、環境保全、子育て支援 |
コミュニティの強化 |
地域おこし協力隊 |
外部視点での活性化 |
観光PR、特産品開発、移住促進 |
新たな価値の創造 |
企業・商工会 |
経済活動の推進 |
新規事業開発、雇用創出、技術革新 |
地域経済の活性化 |
なお、自治体や専門家、企業が主体となって行う取り組みを「地域振興」、住民が主体となって行う取り組みを「地域活性化」と呼びます。
呼び方は異なりますが、どちらも地域資源を有効活用し、持続可能な地域経済構造の確立を目的にしていることは共通しています。
【実例】茨木市の地域活性化プロジェクト
茨木市では、産官学が連携して独自の地域活性化事業を展開しています。
特に、市内の大学生たちの新鮮な視点を積極的に取り入れている点が特徴的です。若者たちの柔軟な発想と行動力が、まちづくりに新たな風を吹き込んでいます。
ここでは、茨木市の地域活性化プロジェクトについてみていきましょう。
住みたい・住み続けたいまちづくり大百科
住みたい・住み続けたいまちづくり大百科は、地域活動を「知って・学んで・つながる」ことを目的に、市内大学に通う学生が中心となって制作した事例集です。
市内の大学生たちが実際に取材を行って、ITやデジタル化から防犯・防災まで、計13の事例をまとめています。各事例は、実際に活動に携わる方々への丹念な取材にもとづいており、リアルな声が随所に盛り込まれています。
この取り組みの特徴は、単なる事例紹介にとどまらず、読者自身が活動を始めるためのヒントや具体的なステップが示されている点です。地域活動への理解を深め、新たなつながりを生み出すプラットフォームとしても機能しています。
住みたい・住み続けたいまちづくり大百科の詳細は、こちらからご覧ください。
地域活性化ワークショップやサミットの開催
2018年にスタートした地域活動活性化ワークショップは、市民の主体的な参加を促す場として着実に成果を上げています。当初は小規模な勉強会として始まった取り組みですが、現在では年間を通じて開催されるプログラムへと発展し、さまざまな世代や立場の市民が交流する貴重な機会となっています。
2024年2月に開催された「いばまちサミット」では、全国で活躍するまちづくりの専門家を招き、先進事例の共有と実践的なワークショップを実施しました。参加者からは「具体的な行動のきっかけが得られた」「新たな仲間との出会いがあった」といった声が多数寄せられています。
地域活性化ワークショップやサミットの詳細は、こちらからご覧ください。
中心市街地活性化基本計画
中心市街地活性化基本計画は、令和元年から令和7年にかけて実施される、内閣総理大臣の認定を受けた本格的な取り組みです。「多様な文化が集い、まちへの愛着を育む賑わい拠点」をビジョンに掲げ、官民一体となって推進しています。
特に力を入れているのが、歴史ある商店街の活性化です。空き店舗を活用したチャレンジショップの開設や、若手商業者による新業態の導入支援など、伝統と革新が調和したまちづくりを目指しています。
また、定期的に開催されるマルシェやアート・イベントも、地域の新たな魅力を創出する仕掛けとして注目を集めています。
中心市街地活性化基本計画の詳細は、こちらからご覧ください。
地域振興活動に取り組むメリット
地域振興活動に取り組むメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- 地域コミュニティの強化
- 個人の成長機会
- 経済効果と雇用創出
地域活動への参加は、新たな出会いと成長の機会をもたらしてくれます。自己実現と地域貢献を両立させることで、より充実した市民生活を送れるようになるでしょう。また、ビジネスパーソンにとっては、企業の社会的責任(CSR)の観点からも意義深い活動であるといえます。
ここでは、地域振興活動に取り組むメリットをさらに深掘りしてみましょう。
地域コミュニティの強化
地域振興活動には、地域コミュニティを強化する効果があります。日々の活動を通じて育まれる住民同士のつながりは防災や防犯、子育て支援など、さまざまな場面で力を発揮するでしょう。
特に、近年は自然災害が頻発しているので、地域コミュニティの重要性がいっそう高まっています。顔の見える関係づくりをしておくと、いざというときの助け合いの基盤を構築できます。
また、高齢者の見守りや子どもたちの健全育成など、行政サービスだけでは行き届かない部分を、地域の力で補完できるようになる点もメリットです。世代を超えた交流は、伝統文化の継承や郷土愛の醸成にもつながっています。
個人の成長機会
地域振興活動は、ビジネスで活かせるスキルを習得できるチャンスにもなります。例えば、イベントの企画運営を通じてプロジェクトマネジメント能力を磨いたり、地域課題の解決を通じて問題解決力を向上させたりすることが可能です。
さらに、多様な背景を持つ人々との協働は、リーダーシップやコミュニケーション能力の向上に直結します。こうした経験は職場や家庭など、あらゆる場面で活きる貴重な財産となるでしょう。
経済効果と雇用創出
地域内での経済循環を活発化できれば、新たな雇用機会が生まれ、地域産業の振興にもよい効果が出ます。特に、地域資源を活用した新規事業の創出は、若者の地元定着の促進につながるでしょう。
また、地域ブランドの確立は観光客の誘致や特産品の販路拡大にも有効なので、持続的な経済発展の原動力となります。地域内での取引を活性化することで、経済的な利益だけでなく、事業者同士の信頼関係構築にもよい影響を与えます。
まとめ
地域活性化活動は、人と人とのつながりを深め、持続可能な地域社会を築く礎となります。茨木市には、市民・企業・行政が一体となって取り組む魅力的な地域振興活動が数多く存在しているので、興味がある方はぜひ参加してみてくださいね。
地域振興活動において中心的な役割を担っている茨木西ロータリークラブでは、毎週水曜日18時30分より例会を開催しています。この例会では、地域活性化に関心をお持ちの方々を温かく迎えています。経験や肩書は問いません。あなたの「まちをよくしたい」という思いこそが、最も大切な参加資格です。
私たちと一緒に、茨木市の未来を創っていきませんか?皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
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