私たちの住む茨木市では、多くの方々が被災地の復興と被災者の方々の生活再建に向けて、懸命な支援活動を展開しています。
今を遡ること30年。1995年1月17日5時46分に発生した阪神・淡路大震災は、甚大な被害をもたらしました。2011年3月11日には東日本大震災が発生。沿岸を中心に多くの地域が被害を受け、現在もなお復興に向けて歩んでいます。
2018年6月18日の大阪北部地震では、茨木市でも震度6弱を観測しました。
この記事では、茨木市における支援活動の全容と、皆様にできる支援の形をご紹介いたします。
被災地への支援の輪を広げたい、具体的な行動を起こしたいとお考えの方に、新たな可能性が開けることを願っています。
茨木市の主要な被災者支援団体とは
地震に限らず、豪雨や台風といった自然災害はいつ起こるかわかりません。
茨木市では、自然災害への備えとして、社会福祉協議会を中心に複数の支援団体が活動しています。これらの団体は、それぞれの特色や専門性を活かしながら、互いに連携して支援活動を展開しています。
各団体は単独での活動にとどまらず、情報を共有し合い、協力体制を築いています。さらに、国際的な支援ネットワークとの連携も視野に入れて活動を行っているのです。
このように団体同士が補い合うことで、より効果的な被災者支援を実現することができます。
茨木市社会福祉協議会の活動内容
茨木市社会福祉協議会では、災害ボランティアセンターを核として包括的な支援体制を整えています。
被災者の方々への効果的な支援を行うためには、一人一人のニーズを丁寧に把握しなければなりません。また、デジタル技術を活用した在庫管理システムを導入し、支援物資を適切なタイミングで必要な場所へ届けられる体制を整えています。
災害時に備え、日頃から支援活動に関する研修や訓練も欠かせません。特に、高齢者や障がいをお持ちの方々、外国人居住者など、災害時に特別な配慮が必要な方々への支援体制の強化に力を入れています。
また、被災地で活動するボランティアの方々の安全確保も重要な課題の一つです。必要な保険への加入サポートなど、きめ細やかな支援を行っています。
いばらき市民活動推進ネットの取り組み
茨木市の市民活動センターでは、市民の皆様の善意を効果的に活かすため、さまざまな情報発信と支援団体同士の連携支援を積極的に行っています。また、支援活動に取り組む団体に対して、助成金に関する情報も提供しているのが特徴です。
災害時にも強く機能する市民のネットワークづくりを目指し、デジタル技術を活用した情報共有の仕組みを整えています。
地域での防災訓練や防災教育の実施、防災マップの作成なども重要な取り組みです。特に学校と協力することで、若い世代の防災活動への参加を促しています。
地域の企業や事業所とも協力関係を深め、災害時により充実した支援ができる体制づくりを進めています。
がんばろう!つばさネットワークの支援活動
がんばろう!つばさネットワークは、東日本大震災をきっかけに立ち上げられた支援団体です。現在は、被災地の高校生との心の交流を続けながら、駅前での募金活動や能登半島地震の被災地での支援活動を積極的に行っています。
この団体の特徴的な活動のひとつが、被災地の高校生との文化交流や学習支援です。オンラインを活用することで、遠く離れた場所からでも継続的な支援を行うことができています。
また、物資の支援だけでなく、被災地の伝統文化や地域の大切な資源を守り、次の世代に伝えていく活動も行っています。地域の祭りや伝統行事を支援することは、被災地の人々のつながりを深め、地域の復興に大きな力となるからです。
【茨木発の被災者支援】どのような支援活動ができるのか
支援活動には、現地での直接支援から間接的な支援までさまざまな形があります。支援する側の状況や可能な範囲に応じて、最適な支援方法を選択することが重要です。
主な支援形態の特徴を、表にまとめました。
支援形態 |
活動内容 |
必要な準備 |
活動の特徴 |
期待される効果 |
活動期間 |
必要なスキル |
---|---|---|---|---|---|---|
現地支援 |
被災家屋の清掃・片付け |
動きやすい服装、保険への加入 |
直接的な支援活動 |
迅速な生活再建支援 |
短期~中期 |
体力・基礎的な作業能力 |
物資支援 |
生活必需品の提供 |
品目確認、梱包材料 |
間接的な支援活動 |
生活基盤の確保 |
緊急期~復興期 |
物資管理・物流の知識 |
技術支援 |
専門知識を活かした支援 |
資格証明、専門器具 |
専門的な支援活動 |
専門的課題の解決 |
中期~長期 |
専門資格・技術 |
心理支援 |
傾聴活動、交流支援 |
カウンセリング研修の受講 |
精神的な支援活動 |
心理的負担の軽減 |
全期間 |
コミュニケーション能力 |
情報支援 |
情報収集・発信 |
通信機器、情報管理体制 |
情報面での支援活動 |
正確な情報提供 |
全期間 |
情報処理・発信能力 |
子育て支援 |
児童の学習・遊び支援 |
教材、遊具 |
教育・保育支援活動 |
子どもの心身の発達支援 |
中期~長期 |
教育・保育の知識 |
現地派遣型災害ボランティアの活動内容
災害ボランティアと聞くと、家屋の片付けや清掃作業などの作業をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
実際、被災地では人手が足りず、これらの作業がなかなか進まないことも多いものです。特に、水害や土砂災害の被災地では、専門的な知識と経験を持つボランティアの方々の支援が重要になってきます。
避難所でのプライバシーの確保や衛生管理、食事の提供支援なども現地派遣型災害ボランティアの活動の一部です。高齢者や障がい者など、特別な配慮を要する方への適切な支援も忘れてはいけません。
さらに、避難生活が長期化した場合に備えて、避難所での人と人とのつながりづくりや、日常生活のお手伝い、健康相談会の開催なども行っています。
このような支援活動を通じて、被災者の孤立を防ぎ、生きがいを持って暮らせるような支援も、災害支援の重要な役割です。
物資による支援方法
被災地で必要な物資は、季節や状況によって変わります。例えば、防寒具や衛生用品など、その時々で必要なものが異なります。被災者の方々が安全で快適な生活を送れるよう、適切な物資支援が重要です。
また、物資を届ける際には、被災地で本当に必要とされているものを正確に把握し、適切なタイミングで届けることが大切です。そのために、物資の仕分けや在庫管理、配送の手配といった物流面での支援活動も欠かせません。
現在は、フードバンクなどの支援の仕組みに加えて、企業や団体の社会貢献活動とも協力することで、より大規模で効果的な物資支援が可能になっています。
専門技術を活かした支援
災害支援の現場では、専門知識を活かした活動も活発に行われています。たとえば、住宅の応急危険度判定や復旧工事の相談は建築士や土木技術者が、医療面での支援活動は医師をはじめとした医療従事者が担うといった形です。
被災後は、持病のある方だけでなく、災害をきっかけに心身の健康を崩される方も多くいます。そのため、医師や看護師による巡回診療や健康相談、薬剤師による薬の飲み方指導、専門家によるエコノミークラス症候群の予防支援など、さまざまな医療支援を行っています。
外国人の方々への支援も大切な取り組みです。多言語での情報提供や相談対応を行うとともに、それぞれの文化に配慮した支援活動を進めています。
このように、多様な文化を理解し、共に生きる視点を大切にした支援を行っています。
支援活動に参加するための手順とは
支援活動への参加を希望される方は、まずは茨木市社会福祉協議会ボランティアセンターに登録する必要があります。その後、必要な保険加入手続きとオリエンテーションを受けることで、実際の活動への参加が可能です。
オリエンテーションでは、ボランティアの安全確保と効果的な支援活動の実現のために、体系的な研修プログラムが用意されています。
ロータリークラブでは、国際的なネットワークを活かした支援活動の展開、さらには専門的な知識・経験を持つメンバーとの協働による効果的な支援活動が目指せます。
より幅広い支援活動に興味がある方は、茨木西ロータリークラブへの参加もご検討いただければ幸いです。
ボランティア登録の方法
ボランティアへの参加は、個人でもグループでも可能です。どちらの場合も、必要な書類を提出し、簡単な面談を受けた後、それぞれに合った活動分野を紹介します。
ボランティアに興味はあるものの、仕事との両立に不安を覚える方もいるでしょう。ボランティアでは活動期間や時間帯の調整にも柔軟に対応できるため、まずはお気軽にご相談ください。
最近では、オンラインで事前登録ができるようになり、より手続きが簡単になりました。活動開始後の活動記録管理やボランティア保険の更新案内についても、継続的なサポートを受けられます。
必要な準備と心構え
ボランティア活動を安全に行うためには、ボランティア保険への加入が必須です。
この保険では活動中の事故や怪我、また第三者への損害賠償など総合的な保障が受けられます。加入手続きは社会福祉協議会で簡単に完了でき、年間を通じて有効な保険も案内してもらえるので安心です。
活動では、状況に適した服装や装備の準備も重要です。季節や天候に応じて、安全靴やヘルメットなどの保護具を準備しましょう。
体調管理にも特に気を配り、無理のない範囲での活動を心がけることが第一です。長期的な支援活動を視野に入れる場合は、自身の生活リズムを考慮したうえ無理なく継続できる計画を立てることが重要です。
活動中は常に周囲の状況に気を配り、安全第一での活動を心がけましょう。被災地での活動は予期せぬ事態も想定されるため、臨機応変な対応力も求められます。
被災者の方々、さらには他のボランティアとのコミュニケーション能力も重要な要素です。相手の気持ちに寄り添い、丁寧な言葉遣いを心がけなければなりません。お互いに声を掛け合いながら、協力して支援を進めていきましょう。
研修・説明会への参加
支援活動を効果的に行うためには、研修への参加も欠かせません。 研修では、安全管理や衛生管理、被災者への接し方など、被災地での活動に必要な知識やスキルを重点的に学びます。
建築関係の方向けの応急危険度判定講習や、医療関係者向けの災害医療研修など、それぞれの専門性を活かした支援活動のための研修プログラムも充実しています。
経験豊富なボランティアの方々との情報交換や、支援活動における課題や解決策の共有を行うため、研修は貴重な学びの場としても非常に有用です。
【茨木市×被災者支援】よくある質問(FAQ)
ここでは、「茨木市×被災者支援」というテーマにおいてよくある質問をまとめてご紹介します。
Q.茨木市で被災者支援のボランティア活動に参加するには、特別なスキルや資格が必要ですか?
ボランティア活動では、特別なスキルや資格は必要ありません。むしろ、一人一人が持っている得意分野を活かすことができるのが特徴です。
例えば、体を使う作業が苦手な方でも、避難所での支援物資の整理や配布、あるいはお子さまの学習支援など、その時々の状況に応じてさまざまな活動があります。
また、専門的な技能をお持ちの方は、その知識や経験を活かした支援活動にも参加できる可能性があります。ぜひ、各支援団体にご確認いただくことをおすすめします。
Q.仕事が忙しく、定期的な活動は難しいのですが、参加は可能でしょうか?
各支援団体では、活動の頻度や時間帯について柔軟な対応をしています。土日だけの参加や、わずかな時間での活動も受け入れている団体が少なくありません。
最近では、オンラインを活用した支援活動が増えていることもあり、場所や時間を気にせず参加できる活動が増えています。
興味のある団体に、どのような方法で参加できるのか、まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。
Q.ボランティア保険の加入は必須なのでしょうか?
ボランティア活動に参加する際は、安全のためにボランティア保険への加入が必要です。この保険は、活動中の事故やケガに対して幅広い補償が受けられる仕組みになっています。
保険への加入方法については、活動を希望する支援団体に直接お問い合わせください。
Q.茨木西ロータリークラブの例会見学は、事前予約が必要ですか?
例会見学については、スムーズな運営のため、事前の予約をお願いしています。電話やメールでご連絡いただくと、対面での参加に加えて、Zoomを使ったオンラインでの参加方法もご案内できます。
お気軽にお問い合わせください。
Q.物資支援をする場合、どのような物資が必要とされていますか?
必要とされる物資は、災害の種類や季節、被災からの期間によって大きく異なります。例えば、発災直後、復興初期、発災から半年後、1年後など、時期によって必要な物資は変化します。
そのため、各支援窓口では、その時期に特に必要とされている物資のリストを公開しています。季節に応じた物資や衛生用品は、特に継続的に必要とされることが多いようです。
物資支援をお考えの場合は、まず各支援窓口に連絡して、現在どのような物資が必要とされているのか、また受け入れ可能かどうかを確認することをおすすめします。
Q.外国語話者です。需要はありますか?
外国語を話せる方の支援は大変重要です。多くの支援団体や被災地では、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語など、さまざまな言語に対応できる方を必要としています。
また、外国の文化をよく知る方の視点も大切です。異文化への理解を深める活動や、多言語での情報提供など、幅広い支援活動にご協力いただけます。
Q.企業として支援活動に参加することは可能でしょうか?
支援団体は、企業からの支援も広く受け入れています。社員の方々によるボランティア活動や、必要な物資・設備の提供、さらには企業の専門技術を活かした支援など、さまざまな形での協力が可能です。
それぞれの企業ができることを活かした支援方法について、支援団体に気軽にご相談いただけます。
Q.高齢ですが、支援活動に参加できますか?
ボランティア活動は、年齢に関わらず、一人一人の体力や状況に合わせて参加することができます。
特に、長年の人生経験を持つベテランの方には、相談支援や避難所での生活支援など、経験を活かせる大切な役割がたくさんあります。
まとめ
被災地への支援活動には、様々な形で参加することができます。
私たち一人一人にできることは小さなことかもしれません。しかし、その思いと行動が集まることで、被災地の復興を支える大きな力となります。大切なのは、それぞれの状況に合わせて、無理のない範囲で継続的に支援活動を行うことです。
ロータリークラブでの活動は、単なるボランティア活動の枠を超え、地域社会のリーダーとしての役割も担っています。企業や団体、行政と協力することで、より広い範囲で効果的な支援活動を行うことができます。
茨木西ロータリークラブでは、国内外の災害支援活動を積極的に展開しています。毎週水曜日18:30から行っている例会は、Zoomでの参加も可能ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
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