例会情報

第1415回(23年度39回) 令和6年5月8日 / パキスタンにおけるポリオの現状

日時:令和6年5月8日(水) 18:30~19:30

場所:割烹 片桐

会員数:27名

出席率:88.89%

 

森会長のスピーチ

ロータリーの友5月号「もっと知りたいパキスタン」より。野生型ポリオの根絶まで残る国は2か国となり、その一つがパキスタンです。パキスタンは1947年にイギリス領インド帝国から独立し、正式名称はパキスタン・イスラム共和国です。イスラム教徒が多数派を占める一方で、多くの少数民族も存在します。国旗の緑色は多数派、白色は少数派を表し、三日月と星は進歩、発展、光明、知識を象徴しています。

パキスタンの国土は日本の約2倍、人口は約2億4,000万人です。地形は多様で、世界第2位の高さを誇るK2山を含む山岳地帯、広大なインダス平原、寒暖差が激しい高原地域があります。気候は50度の猛暑から0度の寒さまで変動します。

お酒が禁止されている国ですが、1860年創業のマリーブルワリーという唯一のお酒メーカーが存在し、イギリス人向けに設立されました。

パキスタンでは1994年以降、野生型ポリオの症例は6件報告されていますが、根絶には貧困が大きな障壁となっています。イスラム教徒にとって重要なハラーム(禁止)とハラール(許可)についても議論がありましたが、多くの宗教学者がワクチンはハラールと判断し、接種を支援しています。

しかし、識字率が58%と低く、根拠のない噂が広がりやすい状況です。また、隣国アフガニスタンとのバス往来がポリオの感染を助長しています。そのため、公共交通機関の待合所でのワクチン投与が重視されています。地域によっては接種率が100%に近いところもありますが、依然として課題は残っています。

ロータリアンのアブドゥル・ワヒルさんは、教育の重要性を訴え学校を設立しましたが、テロ事件により犠牲となりました。現在はワヒルさんの兄が校長を務めています。

この記事を通じて、物事の一面だけでなく、多角的な視点で考えることの重要性を感じました。