例会情報

第1418回(23年度42回) 令和6年5月29日 / 「あなたにもできます CPR」というテーマのスピーチ 他

日時:令和6年5月29日(水) 18:30~19:30

場所:割烹 片桐

会員数:27名

出席率:77.78%

 

森会長のスピーチ

世の中の動向を見ていると、「インクルージョン」という言葉をよく目にします。これはロータリーだけでなく、多くの企業も取り組んでいるテーマです。例えば、テレビ東京系列のワールドビジネスサテライトで紹介されたソニーは、来年度以降、スマートフォンやゲーム機などの製品開発において、障害者や子供など多様な人々の声を取り入れる方針を掲げています。この取り組みを「インクルーシブな取り組み」と呼び、全ての人が使いやすい製品を目指しています。

ソニーは、すべての製品をいきなりインクルーシブにするのは難しいと考え、音楽の分野でテストケースとしての知見や開発プロセスの経験を積んでいます。その一例が「ゆる楽器」です。ゆる楽器とは、例えば光を放つ太鼓「ハグドラム」のように、聴覚や視覚に障害がある人、または音感が苦手な人でも音楽を楽しめる工夫がされた楽器です。ハグドラムは、叩くと光と振動が生じ、叩く場所によって振動の伝わり方や光の色が変わります。二台一組で、リードする演者が叩くとフォローする演者にわかりやすく光や振動が伝わります。ハグドラムの名前は、お互いをハグするような一体感が得られることから名付けられました。

もう一つの例は「鼻サックス」で、鼻歌を歌うだけで演奏できる楽器です。視覚障害のある人でも楽しむことができます。言葉だけでは伝わりにくいので、動画で少しご覧いただきたいと思います。

ロータリーでもすべての人に均等な機会を提供することを目標に掲げています。このような企業の取り組みから学べることが多いのではないかと感じています。

 

西原会員のスピーチ

「あなたにもできます CPR」というテーマでスピーチいただきました。


CPRとは

「CPR」とはCardioPulmonary Resuscitation(心肺蘇生法)の略語です。脳や心臓に酸素を送り、細胞の壊死を遅らせて社会復帰を目指します。具体的には胸骨圧迫と人工呼吸を行います。

胸骨圧迫の手順

  1. 倒れている人を仰向けに寝かせ、胸の横にひざまずく。
  2. 圧迫する場所は胸の真ん中(胸骨の下半分)。
  3. 片手を胸の真ん中に置き、もう一方の手を重ねて指を浮かせ、手のひらの付け根で圧迫する。
  4. 両腕をまっすぐ伸ばし、指は肋骨に触れないように少し浮かせる。
  5. 胸が約5cm沈むように圧迫する。小児では胸郭の前後径の約1/3を圧迫する。毎回圧迫後に胸郭が元の位置に戻るように力を抜く。
  6. 1分間に100〜120回のテンポで圧迫する。
  7. 救急車が来るまで続ける。

人工呼吸の手順

  1. 気道を確保する(頚部後屈顎先挙上法、下顎挙上法)。
  2. 額側の手の親指と人差し指で鼻をつまみ、息が漏れないようにする。
  3. 口を大きく開き、傷病者の口を覆うように密着させる(1歳未満の乳児の場合は口と鼻を同時に覆う)。
  4. 約1秒かけて、傷病者の胸が上がることを確認できる程度の息を吹き込む。人工呼吸より胸骨圧迫を優先する。

注意点

  • 救助者が複数いる場合は、1〜2分ごとに胸骨圧迫を交代する。交代時の中断時間を最小限にする。
  • 感染予防のために、自分はマスクを付け、相手の口と鼻を布で覆う。人工呼吸は器具が無い場合は行わない。ただし、家族など感染しても良い場合は行う。

まとめ

CPRは胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせで行います。気道確保や回復体位も覚えておくと役立ちます。感染予防と救助者の交代を意識しながら、質の高い胸骨圧迫を続けることが重要です。