例会情報

第1425回(24年度3回) 令和6年7月17日 / 会長スピーチ「ロータリークラブの起源と歴史的背景」他

日時:令和6年7月17日(水) 18:30~19:30

場所:割烹 片桐

会員数:29名

出席率:65.52%

 

川尻会長のスピーチ

ポール・ハリスは、1905年2月23日にロータリークラブを創設しました。彼は、都会に出てきた若者たちが友情を育むための集まりを作りたいと考え、4人の仲間とともにクラブを結成しました。このクラブが後に「シカゴロータリークラブ」となり、世界初のロータリークラブとして知られています。

その後、1920年10月20日に東京ロータリークラブ(東京RC)が28名のチャーターメンバーによって設立されました。シカゴRCが中小企業のメンバーを中心に設立されたのに対し、東京RCは財界人が中心となって設立されています。

また、ロータリークラブには多くの著名な人物が所属しており、歴代の大統領をはじめとする著名なロータリアンたちが存在します。特に日本では、多くの著名な人物がロータリアンとして活動しています。

ロータリークラブにおいて、ロータリーソングの誕生も重要な歴史の一部です。1907年、シカゴRCでは「親睦か?奉仕か?」という論争が巻き起こり、この議論は1913年まで続きました。この間、クラブ内の雰囲気が悪化し、出席率が低下するという危機に直面しました。

この状況を打開するため、親睦委員長のウィリアム・ネフは、メンバーである印刷業者のハリー・ラグルスに、毎週の例会で歌を歌うよう依頼しました。ハリーが当時流行していた曲を歌ったことで、クラブの雰囲気は大きく改善され、これがきっかけとなり、例会で歌を歌うことが習慣となりました。

特に、矢野一郎(東京RC)が作曲した「手にてつないで」を藤山一郎が編曲したロータリーソングは、クラブのムードを和らげる重要な役割を果たしました。また、「我らの生業」は、高野辰之(東京音楽大学元教授)と岡野貞一(東京音楽大学元教授)の名コンビによって作詞・作曲された楽曲であり、ロータリークラブの精神を象徴する一曲となっています。

ロータリークラブの例会場が、映画「ボディガード」(1992年)のラスト1分に登場するなど、社会に影響を与えています。この映画は、俳優ケビン・コスナーと歌手ホイットニー・ヒューストンが共演したものです。

このように、ロータリークラブの起源とその歴史的背景には、友情、奉仕、音楽が深く関わっており、その影響は現在に至るまで続いています。

 

森会員のスピーチ「能登半島地震復興支援と日本経済の動向に関する考察」

 

① 能登半島地震の復興状況と支援活動

能登半島地震が発生した際、茨木西ロータリークラブは現地への直接支援を検討しましたが、道路の寸断などの状況を考慮し、アマゾンを活用した物資支援に取り組みました。志賀町のレストラン松本の松本さんのご協力を得て、水やおむつなどの物資を迅速に配布することができました。アマゾンを通じた支援は新鮮で、現代における新しい支援の在り方を体験する貴重な機会となりました。

2016年の熊本地震との比較では、両地震ともに全壊家屋が約8,000戸、死者が約280人と同程度の被害が報告されています。熊本地震では、直後に18万人いた避難者が半年後には188人に激減しましたが、能登半島地震では、直後の避難者数が3.4万人でありながら、半年後には未だに2,000人が避難生活を続けている現状です。仮設住宅の建設が遅れていることが、その一因と考えられます。

しかし、復興の兆しも見え始めています。8月上旬には商店街が仮設で再開される計画が進行中であり、松本さんが経営するレストラン松本も復興商店街で再開し、たこ焼きなどを提供する予定です。志賀ロータリークラブとも協力し、復興商店街での食事を志賀町の住民に無料で提供する企画も進行中です。計画はまだ具体化していない部分もありますが、今後の進捗を注視していただければと思います。

 

② 日本経済とGDPに関する考察

GDP(国内総生産)は、多くの人が聞いたことがある経済指標ですが、生産、支出、所得が一致する「三面等価の原則」に基づいています。最近、日本のGDPがドイツに米ドルベースで抜かれたことがニュースになりました。ドイツの人口は日本の約4分の3でありながら、この順位の逆転は大きな話題となりました。米ドルは世界の基軸通貨として広く使用されており、そのため米ドルベースでの比較が一般的です。しかし、現地通貨建てで比較する新聞記事やグラフもあるため、注意が必要です。

米ドルベースで見ると、日本のGDPや個人の金融資産はほとんど増加していないことが明らかです。一方、アメリカのGDPは右肩上がりに成長し、約27兆ドルに達しています。アメリカ人が投資を積極的に行い、その投資収益率が賃金上昇率を上回っていることが、国民の金融資産増加の一因です。この現象は、フランスの経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本論」で指摘されている「r > g」という公式で説明されることが多く、経済の見方に新たな視点を提供します。

このような視点を持つことで、経済の現状やニュースの捉え方も変わってくるのではないでしょうか。