【要約】
川尻勝久会長は「水と衛星月間」に因んで水資源の重要性と日本が抱える水資源の課題について言及しました。続いて澤田裕仁会員による「EVの長所と短所について」という会員スピーチが行われ、電気自動車の実用性に関する具体的な経験と知識が共有されました。
【詳細報告】
■会長の時間
川尻勝久会長が「3月は水と衛星月間」というテーマで、独立行政法人水資源機構のホームページより水資源についての情報を紹介しました。川尻会長は、水資源が生物の生存に不可欠で人間の社会経済システムの存立基盤になっていることを説明し、利用可能な水は時間的空間的に偏在しており変動も激しいと述べました。
会長は日本が抱える水資源の課題として、主に「水資源の確保」と「輸入」の二つを挙げました。日本は世界的に見ても降水量が多い地域に属しているにもかかわらず、急な地形により雨が海に流れ出てしまうため、人口1人あたりの水資源量は世界平均の1/4に過ぎないことを指摘しました。
また、日本は水資源だけでなく食物も輸入に頼っており、その食物を育てるために使われる輸入先の国々の水資源を「バーチャルウォーター」と呼び、日本は間接的に世界の水資源を使用していることを説明しました。会長は水資源問題に対する取り組みとして、(1)節水を意識する、(2)水資源の環境を守る、(3)水に汚れを流さないという三つの方法を提案し、ひとりひとりが日常生活の中で水資源問題を意識した行動をすることの大切さを強調しました。
■澤田裕仁会員のスピーチ
澤田裕仁会員が「EVの長所と短所について」と題して、電気自動車の実用性に関する発表を行いました。澤田会員はまず電気自動車の歴史から解説を始め、1947年に発売された「たま電気自動車」が最高速度35.2km/h、航続距離96.3kmで約1,100台生産され、主にタクシーや小型トラックとして使用されていたことを紹介しました。
続いて自身の経験として、2017年に購入した初代日産リーフZE0について言及し、航続距離約228kmで茨木市から瀬戸大橋経由の坂出ICまで走行可能だったことを説明しました。EVの長所としては、エンジン音がなく静かであること、発進や加速がスムーズ、点検や車検時にオイル交換が不要である点などを挙げました。さらに、全国の日産販売店で月額2,200円(当時)で充電可能であったことや、新車購入時に約90万円の補助金があったことも紹介されました。
一方で短所として、ガソリン車より車両価格が高めであること、急発進や急加速、上り坂で電池消耗が大きいこと、充電時間が必要であること、充電スポットが限定的で遠距離ドライブには事前計画が必要になることなどを指摘しました。
2021年に買い換えた二代目リーフZE1については、航続距離が約300kmに向上し、上位グレードでは400km以上走行できるようになったことや、月額料金が2,200円から4,400円に変更され、充電回数制限と超過分の従量課金制度が導入されたことなどが説明されました。
澤田会員はさらに現在市場に出回っている主なEV車の情報として、三菱eKクロスEV、トヨタbZ4X、MINI COOPER、BYD ATTO 3、テスラモデル3、OTA R1などの車種と価格帯、航続距離について比較し、自宅充電設備(200V、工事費約10万円)の設置が望ましいとのアドバイスも加えました。