日時:令和6年2月7日(水) 18:30~19:30
場所:割烹 片桐
会員数:27名
出席率:88.89%
会長挨拶
今日は石川県志賀町で被災された松本稔さんをお招きしています。現地の貴重な情報をこの後お伝えくださいます。松本さんのご実家は石川県志賀町でレストランまつもとを経営されていましたが、この度の震災による建物の損傷で住めなくなり、今は避難所からアパートの一室を借りて一時的な生活を始めておられます。ご自身が被災されて大変な状況の中、週末は輪島、珠洲に向かい仲間とともに精力的に支援活動をされています。
ここで新聞報道から今回の震災被害の特徴を見てみたいと思います。元日に発生した能登半島地震から一か月あまりが経ちました。能登半島は、南北に細長く海に囲まれていることから、急峻な内陸をぬうように整備された道路は、地震の揺れによって、広い範囲で今も尚寸断されています。一方通行でしか動けない道も多くあるそうで、物資の運搬が難航しており、インフラ復旧はまだまだ道半ばです。今回能登半島で被災された方々の人数は概ね15万人、総戸数が何戸かは定かではないのですが、地震発生直後11万戸が断水、45,000戸が停電になっています。普通インフラ復旧は急ピッチで進むのですが、今回の地震ではインフラの回復に時間がかかっています。先月末時点でも断水は42000戸、今もなお続く停電が3300戸にも及んでいます。15万人が暮らす街で42000戸の皆様が蛇口をひねっても水が出ない状態で暮らされいる状況には胸が痛みます。このような状況が続くのは、道が寸断されている状態が続いていることが原因として挙げられます。
このように半島で一旦災害が起きた場合にどのように復旧を進めていくのか各自治体も対策の見直しを迫られています。国土交通省によると能登半島では昨月末時点で11か所がいまだ通行できない状況で完全に復旧するには数年かかる見込みという説明がなされています。こうした道路の寸断で物流が上手く機能していないことから、インフラの復旧も進まず、地上に水道管を仮設するということも計画されてます。いずれにしろ、震災後1か月たって、今なお使える水が不足している現状が伺えますし、松本さんの話をお伺いしても、水不足の様子がうかがえます。私も東日本大震災の時にボランティアで現地に行ったことがありますが、行政が指定する避難所には物資が届いていてもその周囲に物資が行きわたらないという課題は必ず存在します。例えば、茨木市で大きな地震があったとしましょう。茨木市の中心部、市役所やおにクルに震災物資が届いていたとしても、そこに行くまでの道が寸断されている。仮に何とかたどり着けたとしても、重たい水をもらって、再び一部損壊の自宅に帰るのは大変、お年寄りなどは特に無理という状態は、想像しやすい苦難ではないかと思います。松本さんにおかれましては、報道でされている光の部分とそこだけでは見えてこない影の部分を現地の生の目を通して経験されています。今日、こののちお話を頂きますが、何がしか当クラブの社会奉仕活動に繋げていければという点は先週の臨時理事会で決まっています。皆様のご協力を宜しくお願いいたします。
奥能登在住の松本さんをオンラインでお招きして
奥能登在住の松本さんをゲストとしてオンラインでお招きして、「能登半島地震 今できることを知る」をテーマにスピーチいただきました。
震災当日の状況について
友人を訪ねている時に被災。島を渡る橋が陥没し、孤立状態になったが、別ルートで夜に自宅へ。火事、救急車両、と風景がまったく変わってしまっていた。
その後、電気・水も通らず、どうしようもない状態。車中泊1か月間。勤務していた工場は1/31から出勤できるようになった。
輪島、珠洲について
始めは情報がまったく入らず、一週間位で道路状況が状況がわかるようになり、行けるようになった。
現在も、インフラが整備されず、土砂崩れ、家屋倒壊で道も通れない。一か月経っても景色は変わらない。復旧がすすんでいない状況。
避難所について
日中は明るくても、夜は暗くて外に出れない。
夜は女性一人では仮設トイレに行くのが暗く、怖くて行けず我慢することや、共同の避難所のため、自宅で着替えて戻るということも。女性は違う避難場所、トイレなども考えていただければ。
足りない物資
逃げるのが精いっぱいで着の身着のまま避難。履物がサンダルという方へ長靴を贈呈した。
基本的な衣食住や水
断水状態、飲料水だけでなく、トイレに流す水も(3回で20ℓ無くなる)。追いつかない。
地域によってちがうが公民館、市役所。避難所にある場合も。地元は8か所給水場所あり。しかし高齢者が多く水を運ぶのが辛いという声も。運搬人員足りていない。
ボランティアが宿泊、食事をとる場所がない状態。
金沢から珠洲への往復時間も渋滞でかなりかかる。
来てもらいたいが、現地滞在が難しい。
地震への不安
今日も佐渡島で地震が発生。まだ余震が頻繁にある。 今回、小さな揺れから大きな地震になったので、余震が 本震ではないかと常に不安なまま過ごしている。なかなか日常生活に戻れない。
Q.復興進まない中、寒い北陸で暖をどうされている?
石油ストーブをたくさん使っている。着るものをたくさん着込み、毛布をかぶって過ごされている。アパートの暖は問題なし。水も電気も使用できる。
携帯カイロの寄付、助かると思います。朝0度になる。3月末まで寒い。
Q.持病の方の薬はどうしているのか?
医療関係について避難所で診療をしているのは聞いている。七尾市では 断水、停電している 1/1その日出産に緊急手術室、緊急の発電機で対応したと聞いている。医療、福祉は特に切迫している。
Q.石川へ荷物が運べない、道路状況は?到達できるか?
すごく渋滞する。バイパスがぐちゃぐちゃで通れない、下道一本を救急車両、自衛隊、警察、建設、電気関係、一般車両等すべてが往復に使用。(輪島と珠洲の分岐点で帰りも合流し、8時間かかったりその日に帰れない人も)
交通規制もあり、物を運ぶのは難しい。非常に渋滞して時間がかかるが届くことは届く。
Q.子供達の教育の様子、望まれていること
現地では学校が開校していて、行けない場合はオンライン参加。輪島市では避難所の小学校が再開すると、避難者の移動先がぎゅうぎゅう詰めになり、問題も発生。
教育面ではいいが、避難者が追いやられている。
子供達の教育も守っていかないといけないが、生活を守ることとのバランスのとり方が難しいという状態。
数カ所の運動場に仮設の学校を立てて3月にできあがると聞いている。
松本さんに協力いただいて支援物資を届けることについてお話がありました。
松本さんより「大変な思いをされている方のためにやりきろうと思います。」